「アクティブラーニングって何?」
あなたは今、このようにお考えではありませんか?
アクティブラーニングとは、従来の受け身の授業ではなく、子どもが主体的に学ぶ教育のことです。
子どもの積極性や問題解決能力を高めたりするメリットがある一方で、子どもたちが意欲的に取り組めないと効果が期待できない可能性があるといったデメリットも存在します。
そこで本記事では、アクティブラーニングについて詳しくご紹介します。
さらにメリットやデメリットについても解説するため、アクティブラーニングをうまく活用できるようになるでしょう。
アクティブラーニングのことをしっかり理解し、新しい学習スタイルに順応した、お子さまのサポート方法まで把握できるので参考にしてみてはいかがでしょうか。
アクティブラーニングとは何か?文部科学省が推奨する理由
アクティブラーニングとは、従来の受け身の授業ではなく、グループワークやディスカッションを活用して子どもが主体的に学ぶ教育のことです。
自分たちで考えて話し合うことで、長期記憶の定着や前向きな態度や自信の獲得につながるとされています。
日本でも文部科学省が注目し、子どもをバランス良く育てる方法として導入されており、平成29年に公示した新しい学習指導要領にも記載があります。
文部科学省がアクティブラーニングを推奨する理由は、急速なグローバル社会化や情報社会が影響していることが考えられます。
移り変わりが早く、様々な情報で溢れている時代を生き抜くには、自分で考えて判断する力が必要だと言えるでしょう。
参考文献:平成29年度小・中学校新教育課程説明会(中央説明会)における文科省説明資料
参考文献:アクティブラーニングの学習効果に関する検証
アクティブラーニングを導入する3つのメリット
アクティブラーニングを導入すると、文部科学省が推奨する「確かな学力」や「豊かな心」を培うことが出来る点がメリットです。
(参考文献:文部科学省「教育課程企画特別部会 論点整理」)
そこでここでは、アクティブラーニングを導入することで、得られる具体的なメリットを3つ厳選して解説します。
- 学習意欲が向上し・成績が良好になる
- コミュニケーション能力が向上する
- 問題解決能力を培うことができる
学習意欲が向上し・成績が良好になる
アクティブラーニングは、自発的に意見を発する機会が多くなるため、学習意欲が向上します。
そのため授業に真剣に参加し、集中して取り組む子どもが多くなるのです。
実際に『アクティブラーニングの学習効果に関する検証』によると、アクティブラーニングを実施した生徒は、ほかの生徒よりも成績が良好だったという結果がでています。
アクティブラーニングの学習効果に関する検証
まず成果として,講義中心クラスと比較して ALクラスが授業外学習時間や論述問題の成績,授業満足度の面で有利であるというエビデンスが得られたことが挙げられる |
さらに授業満足度が高くなったり、授業外学習時間が増えたりといった結果も出ています。
コミュニケーション能力が向上する
グループディスカッションを中心としたアクティブラーニング型授業を実施したところ、参加者のコミュニケーション能力の向上が見受けられました。
コミュニケーションをとることの不安が軽減したことから「積極的に発言や議論の進行に関わることができるようになった」と述べています。
このようにアクティブラーニングの導入で積極的に「前に踏み出す力」や「人に自分の考えを伝える力」を向上させることができるのです。
参考文献:『アクティブ・ラーニング型授業における コミュニケーション活動の効果』
問題解決能力を培うことができる
アクティブラーニングを取り入れることで、問題や課題に対して、分析したり評価したりする思考力が身に付きます。
実際に、以下の資料によると、生徒にとってグループディスカッションでの「アクティブラーニング体験」が有意義だったと回答しています。
問題解決能力は、従来の受動的な学習スタイルよりもアクティブラーニングの方が身に付きやすいと言えるでしょう。
参考文献:『問題解決能力の向上とアクティブ・ラーニングの促進を目的とした「グローバルビジネスとパートナーシップのための英語学生会議」についての考察』
失敗事例から分かる!アクティブラーニングのデメリット
文部科学省は、7つの大学の協力を得て、アクティブラーニングの効果検証を実施しました。
そこで以下のようなアクティブラーニングの失敗結果が出ました。
ここでは、上記の失敗事例のなかから2つピックアップして、アクティブラーニングのデメリットをご紹介します。
- グループワークが機能しない可能性がある
- 安易に結論を出すと期待できる効果が得られない
グループワークが機能しない可能性がある
アクティブラーニングは、「生徒が発言しない」「雑談してしまう」などが原因でグループワークが機能しない可能性があります。
そのため、アクティブラーニングを導入するときには、子どもの交友関係をしっかり理解したうえで人選をする必要があるでしょう。
仲が良すぎると雑談してしまいますし、接点がまったくない生徒同士ではディスカッションが進まない可能性があります。
もちろん、どのグループでも積極的に参加することが大切ですが、アクティブラーニングを導入する際には、日ごろから人間関係を観察しておく必要があります。
安易に結論を出すと期待できる効果が得られない
生徒がしっかりと話し合いをせずに「安易な解答をする」「知識を得ていない」といった場合、成果水準が下がる場合があります。
そのため、アクティブラーニングを実施するためには、はじめに基礎的な知識を習得してから行うべきです。
また、生徒に積極的に発言してもらうためには、「グループディスカッションを行う目的を伝達すること」が大切です。
いずれもアクティブラーニングの欠点は、先生側が事前準備を徹底することで、解決できる可能性があります。
現状、「子どもの学力が低下する」「やる気を失う」といった失敗事例がないので、保護者としては、安心してアクティブラーニングの導入に賛成できるのではないでしょうか。
アクティブラーニング まとめ
アクティブラーニングとは、急激に成長する社会を生き抜くために必要な力を培う学習方法です。
子どもが自発的に学習に取り組めるようになったり、問題解決能力が高まったりするメリットがあります。
保護者は、お子さまが「主体的・対話的で深い学び」に集中できるように学習環境を整えることが大切です。
また、アクティブラーニングはSTEM教育などの新しい教育と相性が良いとされています。
ご家庭でのアクティブラーニングを検討されている方は、是非ご一読ください。